私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
ズキズキとする激しい頭痛に思わず顔を歪める。
頭が割れそうだ。
「カラスの一件も……あなたの仕業なのね?」
最初から私を狙っていたんだ。
先生になって私に近づくなんて……。
「そうだ。紅羅が水瀬家の娘とその執事に殺されたとある奴らから聞いてな」
赤鬼の返答が気になった。
「ある奴らって……?」
「そんなこと知る必要はない。まずはお前の血の味見をしよう」
目の前のカーテンを閉めて私に向き直る赤鬼の煌。
「い……や」
身体が動かせず、目と声で抵抗する私を見て彼はうっすら口角を上げた。
「安心しろ。まだ殺さない。お前の仲間を誘い出すのに必要だからな」
……この鬼、尊も殺すつもりだ。
もし、今ここで尊の名を呼べば、校内にいる彼に声が届いてここに助けに来るかもしれない。
でも、そしたら私だけではなく尊も死んでしまう。
彼に助けを求めちゃダメだ。
そう決めて、尊の名は呼ばなかった。
死ぬほど怖かったけど、彼が死ぬより全然いい。
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