私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
煌は琥珀に目をやった。
「お前もどこかで見覚えがある。妖の猫よ、人間と関わらず、自分のいるべき場所へ戻れ。次に人間と一緒にいるところを見たら問答無用で殺す」
煌は琥珀を見てそう告げると、撫子を抱き上げたまま消えようとする。
「煌待て!」
そう叫ぶのがやっとだった。
煌は炎に苦しむ俺を見て楽しげに目を光らせ、撫子を連れて消えた。
空を睨みつけ、大声で叫ぶ。
「忘れるな!絶対に撫子を取り返す!」
虚しく響く俺の声。
だが、ここで凹んでいてはいけない。
あの鬼は俺の一番大事なものを奪ったのだ。
煌への怒り。
それと、撫子を奪い返せなかった自分への怒りで煌の炎を跳ね返す。
身体が熱い。
炎に焼けるという意味ではなくて、自分の身体から熱が放出されている感じだ。
あいつが憎い。
撫子を連れ去ったあいつが憎い。
「尊、どうしたの!身体が宙に浮いてるし、目の色が金色に変わってる!」
琥珀の声でハッと我に返ると、次第に身体の熱が収まり、床にトンと降りた。
「お前もどこかで見覚えがある。妖の猫よ、人間と関わらず、自分のいるべき場所へ戻れ。次に人間と一緒にいるところを見たら問答無用で殺す」
煌は琥珀を見てそう告げると、撫子を抱き上げたまま消えようとする。
「煌待て!」
そう叫ぶのがやっとだった。
煌は炎に苦しむ俺を見て楽しげに目を光らせ、撫子を連れて消えた。
空を睨みつけ、大声で叫ぶ。
「忘れるな!絶対に撫子を取り返す!」
虚しく響く俺の声。
だが、ここで凹んでいてはいけない。
あの鬼は俺の一番大事なものを奪ったのだ。
煌への怒り。
それと、撫子を奪い返せなかった自分への怒りで煌の炎を跳ね返す。
身体が熱い。
炎に焼けるという意味ではなくて、自分の身体から熱が放出されている感じだ。
あいつが憎い。
撫子を連れ去ったあいつが憎い。
「尊、どうしたの!身体が宙に浮いてるし、目の色が金色に変わってる!」
琥珀の声でハッと我に返ると、次第に身体の熱が収まり、床にトンと降りた。