私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「その城にどうやって行くわけ?妖の世界にあるんだよね?」
彼が指摘した問題点を琥珀が手をあげてあっさり解決する。
「おいらが案内する」
琥珀の発言を手放しで歓迎出来なかった。
道案内してくれるのは助かるが、行けば生きて帰って来れないかもしれない。
「次はあの赤鬼に殺されるかもしれないぞ。それでもいいのか?」
琥珀をじっと見つめて問うと、彼は二パッと明るく笑って見せた。
「姉ちゃんはおいらを助けてくれた。姉ちゃんがピンチなのに何もしないのはおかしいだろ?」
琥珀も俺も撫子に救われている。
こいつも俺と同じ気持ちなのだ。
「わかった。琥珀、道案内を頼む」
琥珀と話を進めていたら、横にいた隼人が眉間にシワを寄せながら俺の腕を掴んだ。
「ちょっと待った〜!大事な問題が解決してないけど。あの赤鬼に勝つ自信あるの?」
勝つ自信なんてない。
さっきはあいつに攻撃することさえ出来ていなかったんだから。
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