私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
音のない静かな空間を想像していたが、不協和音がトンネルの奥から聞こえる。
「ここから妖の世界に行けるんだな」
この先に撫子がいる。
じっと前を見据えていたら俺の背後から緊張感の欠片もない声が聞こえた。
「あー、なんかふかふかで寝そう」
俺の後ろで隼人が琥珀の毛を撫で回すので、琥珀が身体をゆすりながら文句を言った。
「隼人、くすぐったいって。振り落とすよ!」
「わー、ごめん、ごめん。この悲壮感漂う空気を変えたくてさ」
琥珀の毛にしがみついて謝る隼人を見てフッと笑った。
「お前はホントいい性格してるよ」
「それ褒めてる〜?」
琥珀に振り落とされそうになりながら叫ぶ隼人の方を振り返り、ニヤリとした。
「ああ。精一杯褒めてる」
それから琥珀が闇のトンネルの中を駆け抜ける。
だが、すんなり通り抜けは出来なかった。
たくさんのツタが俺たちに遅いかかる。
琥珀がジグザグに走って避けようとするが、全部は無理で俺と隼人に絡んできた。
「ここから妖の世界に行けるんだな」
この先に撫子がいる。
じっと前を見据えていたら俺の背後から緊張感の欠片もない声が聞こえた。
「あー、なんかふかふかで寝そう」
俺の後ろで隼人が琥珀の毛を撫で回すので、琥珀が身体をゆすりながら文句を言った。
「隼人、くすぐったいって。振り落とすよ!」
「わー、ごめん、ごめん。この悲壮感漂う空気を変えたくてさ」
琥珀の毛にしがみついて謝る隼人を見てフッと笑った。
「お前はホントいい性格してるよ」
「それ褒めてる〜?」
琥珀に振り落とされそうになりながら叫ぶ隼人の方を振り返り、ニヤリとした。
「ああ。精一杯褒めてる」
それから琥珀が闇のトンネルの中を駆け抜ける。
だが、すんなり通り抜けは出来なかった。
たくさんのツタが俺たちに遅いかかる。
琥珀がジグザグに走って避けようとするが、全部は無理で俺と隼人に絡んできた。