私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「妖の世界にある煌さまの城だよ。……お姉さん、凄いね。もう全然痛くない。ありがとう。僕もそういう力が欲しかったな」
瞳に暗い陰を落とす紅玉くんににこやかに返した。
「私はもっと別の力が欲しかったな。非力でいつも尊に助けてもらってばかりだもん」
「尊?」
「私の家族。兄のようで……兄じゃないんだけど……とにかく特別な人。口うるさいけどね」
「家族かあ。鬼にはそんな関係ないから憧れる。力こそが全てだから。でも、お姉さんは非力なんかじゃないよ。あの煌さまに食ってかかるんだから。同じ鬼でも煌さまを前にすると萎縮する……って、お姉さん、鼻から血が出てる!」
彼は私の顔を見てハッとした顔になる。
「あっ、気にしないで。たまに鼻血が出るの」
ハハッと笑いながら袖で血をサッと拭う私を紅玉くんは心配そうに見つめる。
「本当に大丈夫?お姉さん、煌さまに連れて来られた時からぐったりしてる。何か食べた方がいいよ。食べたいものある?今なら煌さまいないし、何でも用意するよ」
瞳に暗い陰を落とす紅玉くんににこやかに返した。
「私はもっと別の力が欲しかったな。非力でいつも尊に助けてもらってばかりだもん」
「尊?」
「私の家族。兄のようで……兄じゃないんだけど……とにかく特別な人。口うるさいけどね」
「家族かあ。鬼にはそんな関係ないから憧れる。力こそが全てだから。でも、お姉さんは非力なんかじゃないよ。あの煌さまに食ってかかるんだから。同じ鬼でも煌さまを前にすると萎縮する……って、お姉さん、鼻から血が出てる!」
彼は私の顔を見てハッとした顔になる。
「あっ、気にしないで。たまに鼻血が出るの」
ハハッと笑いながら袖で血をサッと拭う私を紅玉くんは心配そうに見つめる。
「本当に大丈夫?お姉さん、煌さまに連れて来られた時からぐったりしてる。何か食べた方がいいよ。食べたいものある?今なら煌さまいないし、何でも用意するよ」