私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
12、絶対に助ける ー 尊side
煌の城で鬼と戦い、ようやく煌のいる場所までたどり着いた俺と隼人と琥珀。
ここに来るまでに俺も隼人も琥珀もかなりの力を使っていてすでにヘトヘトの状態だった。
最初に煌と俺が素手でやり合うが、なかなか決着がつかなかった。
しかも煌は自分の分身を出して、強敵が三人に増えた。
「うわ、何それ反則!」
隼人は声を上げて文句を言い、琥珀は顔を引きつらせる。
「ハハッ、冗談だよね?」
分身がどれほどの力を持っているかはわからないが、煌本人に準ずる力はあるはず。
隼人も琥珀も強いが、一角の鬼と戦うのは無理だろう。
俺が三人とも相手をするしかない。
「隼人、琥珀、無理に相手をしなくていい」
三人の煌を見据えながら隼人と琥珀に告げるが、彼らは従わなかった。
「尊にばかりカッコつけさせないよ」
隼人がキメ顔で言えば、琥珀も彼の言葉に頷きながら元気に笑ってみせる。
「そうそう。鬼の一角の相手なんて滅多に出来ないって」
隼人……琥珀……。
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