私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
この状態がいつまで続くのか。
この本体を倒せば分身は消える。
もう全身傷だらけ。
自分の汗と血で床が滑る。
集中しろ!
自分に喝を入れるが、疲労の蓄積で俺の動きが悪くなり、煌は心臓を狙ってきた。
足が滑って彼の剣が刺さりそうになったが、撫子のそばにいた次頭が俺に向かって叫び、何かを投げた。
「お兄さん、受け取って!」
彼の声と同時に眩い光が周囲に溢れる。
これは、撫子の学校で見たのと同じ光景。
そう思うと同時に、煌に壊されたと思っていた石のネックレスが飛んできた。
しっかりとそれを受け取って自分の首にかける。
煌は石の光で吹き飛ばされた。
次頭のお陰で助かったが、事態は最悪な方向へと進む。
煌は怒りに満ちた顔で俺を助けた次頭を睨みつけた。
「お前、私を裏切ったな」
それは一瞬の出来事。
煌が次頭に向かって炎の剣を投げると、それを見た撫子が「危ない!」と叫んでその次頭を庇い、彼女に剣が突き刺さった。
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