私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
煌が子犬のようにキャンキャン吠えて俺に攻撃を仕掛けるが、全部封じた。
「……馬鹿な」
俺の圧倒的な力を目の当たりにしてしばし唖然とする煌。
さらに熱量の強い炎を俺に放つが、今の俺には火花程度にしか感じない。
「終わりか?」
無機質な声で聞けば、相手は酷く動揺した。
「……なぜ死なない?」
下らないことを聞く。
俺が死なないのはお前の攻撃がきいていないからだ。
なのにこいつは認めようとしない。
愚かな鬼。
もうこれで勝敗は決まった。
「質問の答えになってない。もういい。お前は消えろ」
煌に死刑宣告すると、暗黒の闇が彼を包み込んだ。
「何だ、これは!や、やめろ!」
闇の中でもがき苦しむ煌を見ても何も感じなかった。
やがて闇は赤黒い炎に変わり、煌をじわじわと焼いていく。
「うわあ〜!」
その叫び声と共に煌は粉々になって消滅。
分身も同時に消えた。
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