私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
放っておけば多くの人間が殺される。野放しにはできない。
恐らく最近起こっていた神隠しの事件もこの鬼の仕業だろう。
気配を消しながら赤鬼に近づくと、ひとつしか目がなかったのに、撫子の血を啜ったからかもうひとつの目がつくられてパチッと開いた。
「ちょっと、勝手に入ってきて邪魔しないでくれる?」
紅羅が俺に気づいて睨みつけると同時に空気が針となって俺に襲いかかってきた。
俺の髪の毛が数本切れて床に散る。
だが、これはまだ警告だろう。
「勝手に人間の世界にやって来たのはお前の方だろう?しかも、俺の大切な者を傷つけてただで済むと思うなよ」
真っ直ぐに紅羅を見据え、お返しとばかりに空気を操ってその頬を切った。
スーッと流れる青い血をペロリと舐め、赤鬼は目の色を変える。
「へえ、やるね。一瞬妖かと思ったけど、違うんだね。人間が僕に勝てると思う?」
不敵に笑う彼に冷ややかに言い返した。
「その人間にお前の親玉は封印されているがな」
恐らく最近起こっていた神隠しの事件もこの鬼の仕業だろう。
気配を消しながら赤鬼に近づくと、ひとつしか目がなかったのに、撫子の血を啜ったからかもうひとつの目がつくられてパチッと開いた。
「ちょっと、勝手に入ってきて邪魔しないでくれる?」
紅羅が俺に気づいて睨みつけると同時に空気が針となって俺に襲いかかってきた。
俺の髪の毛が数本切れて床に散る。
だが、これはまだ警告だろう。
「勝手に人間の世界にやって来たのはお前の方だろう?しかも、俺の大切な者を傷つけてただで済むと思うなよ」
真っ直ぐに紅羅を見据え、お返しとばかりに空気を操ってその頬を切った。
スーッと流れる青い血をペロリと舐め、赤鬼は目の色を変える。
「へえ、やるね。一瞬妖かと思ったけど、違うんだね。人間が僕に勝てると思う?」
不敵に笑う彼に冷ややかに言い返した。
「その人間にお前の親玉は封印されているがな」