私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「……うん」
戸惑いながら返事をする琥珀を連れて店を出ると、歩かずに空間移動で水瀬家の屋敷に戻る。
立派な洋館を見て、琥珀は「うわー、でっけ〜」と声を上げた。
「今日からお前の家だ」
フッと笑みを浮かべ、屋敷に入ると、撫子の部屋に向かい彼女をベッドに寝かせた。
「なあ、ひとつ聞いていい?なんでさっき兄ちゃんが赤鬼倒したって言わなかったの?」
琥珀が不思議そうに俺に聞いてきて、空を見据えながら答えた。
「俺が倒したことを人に知られると厄介なんだよ。まあ、妖に知られるのもマズいがな」
「なんか……兄ちゃん、顔が怖い。ところで、兄ちゃんと姉ちゃんってどういう関係?」
「撫子は俺の命の恩人だ。だから、今度は俺が彼女を守ってる」
撫子は十二年前に俺を助けた記憶がすっぽり抜けている。
記憶をなくすくらいのダメージを受けたのだろう。
だから、どうして俺が彼女のそばにいるのかも知らない。
「なんだ。キスしてたしてっきり恋人かと思った」
戸惑いながら返事をする琥珀を連れて店を出ると、歩かずに空間移動で水瀬家の屋敷に戻る。
立派な洋館を見て、琥珀は「うわー、でっけ〜」と声を上げた。
「今日からお前の家だ」
フッと笑みを浮かべ、屋敷に入ると、撫子の部屋に向かい彼女をベッドに寝かせた。
「なあ、ひとつ聞いていい?なんでさっき兄ちゃんが赤鬼倒したって言わなかったの?」
琥珀が不思議そうに俺に聞いてきて、空を見据えながら答えた。
「俺が倒したことを人に知られると厄介なんだよ。まあ、妖に知られるのもマズいがな」
「なんか……兄ちゃん、顔が怖い。ところで、兄ちゃんと姉ちゃんってどういう関係?」
「撫子は俺の命の恩人だ。だから、今度は俺が彼女を守ってる」
撫子は十二年前に俺を助けた記憶がすっぽり抜けている。
記憶をなくすくらいのダメージを受けたのだろう。
だから、どうして俺が彼女のそばにいるのかも知らない。
「なんだ。キスしてたしてっきり恋人かと思った」