私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
4、豹変する執事
「やっぱり桜はいいわよね〜。咲いてよし、散ってよし。綺麗〜」
目の前にある桜の木を眺めながら三色団子をパクッと口にすると、横にいる琥珀くんも団子を三本一気に口に入れた。
「うん、うん、綺麗だなあ」
そんな私と琥珀くんを見て尊が呆れ顔で言う。
「ふたりとも単に団子が食べたかっただけですよね」
「花より団子って言いたいんでしょう?」
今日は尊に嫌味を言われても平気。
だって、景色もいいし、団子も美味しいんだもん。
だが、この男はいつでもどこでも冷ややかだ。
「わかってるじゃありませんか。団子を食べるだけなら、水瀬家の別荘まで来る必要はなかったのでは?」家で食べたって新鮮味がないじゃないの。
「最近遠出してなかったしいいじゃない。たまには気分転換も必要よ」
私の返答を聞いて尊はスーッと目を細めた。
「あなたの場合は、毎日気分転換してますが」
「もう、そんな皮肉ばっかり言わないの。せっかくの団子がマズくなるわ」
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