私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「ねえ、俺を下ろすようそこの妖に頼んでくれよ」
彼はチラリと少年の姿で松の木の枝の上で寝そべって呑気に寝ている琥珀に目をやる。
「何故俺が頼む?お前に腹を立てているのに」
冷淡に言うと、彼は俺に向かって訴えるように言った。
「ごめんってば。なんかさっきとキャラが変わってない?余計に怖いんですけど。謝るから許して!」
その謝り方が気に入らない。
まだおちゃらけているような感じがする。
「全然反省しているように見えないな。二度と俺たちの前に現れないと誓うなら、この松の木のごと風磨家に戻してやってもいい。きっと一族の笑い者になるだろうな」
悪魔のように意地悪く微笑んだら、彼はハハッと苦笑いした。
「なかなかいい性格してるね。あんた……確か本多尊って言ったっけ?得体の知れないオーラを感じるんだけど、赤鬼倒したのは君なの?」
さすが次期当主。隠していても俺の力がわかるのだろう。
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