私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
見た目や態度は頭が悪そうに見えるが、わざとそう見せているだけなのかもしれない。
たまに今のように鋭く目が光る。
「そうか?是清さまと秋さまはとても強いが」
表情を変えずにそう言い返したら、彼はニヤリとした。
「確かに強いけど、赤鬼を倒す力はない。もし倒せたとしてもそれなりの深傷を負ったはずだが、そんな噂は聞こえてこない。でも、今確信した。君が倒したんだ」
自信に満ちた顔で俺を見つめる彼に冷たく言い放つ。
「お前の戯言に付き合ってられない。琥珀、この男を風磨家にそのまま送り届け……⁉︎」
「ま、待って!俺たち協力すべきだと思うんだ」
叫ぶ風磨家の若造に冷たい視線を向ける。
「話が見えないな」
往生際が悪い……そう思ったのだが、こいつは気になる言葉を口にした。
「赤鬼の次頭が消えたせいなのかわからないが、湖の封印が解けたらしい」
湖に封印されていたのは、確か赤鬼の一角。
「赤鬼の一角が封印を解いたと言うのか?」
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