HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
兄は宇佐美会長の葬儀に参列した帰りだったので、服装はフォーマルスーツに黒のネクタイを着けていた。
「お前と莉緒は葬儀に参列出来なかったんだな…」
「まぁね…充斗には出ない方がいいと言われたから…」
「それが宇佐美社長の答えじゃないのか?」
「えっ?」
「宇佐美家はお前と莉緒を受け入れない…これからは会長の財産分与で揉めてそうだからな…少しでも…取り分を多くするために…出来るだけ…分散させないように…分与者を絞る」
「…私は別に…遺産なんて…」
「当主の妻となるんだ…そして…莉緒はその当主の娘…」
私は口を噤んだ。
「セレブの世界なんて…そう言うモノだ…俺は凛太郎と一緒になれと言ったのに…どうして…凛太郎を振ったんだ?葵」
「それは…」
私は充斗がスキ。
凛太郎さんは唯の従兄にしか思えなかった。
「…どうせ…アイツはまたお前と莉緒を捨てる…いい加減…現実を見るんだ。葵。
この世に王子様は居ないんだ…」
「いい加減なさい・・・瓜生」
「お母さん!?」
「母さん?」