HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
午前中の挙式を終え、本館の広間で披露宴。
私はプランナーとしてすべての場所にチェックを入れ、立ちっぱなしで奔走していた。
高木院長夫妻の披露宴の招待客は有名人ばかり。
粗相がない様、細心の注意を払う。
私は高砂席の袖で披露宴の進行を見守っていた。
本当に瑞希さんのウエディングドレス姿はキレイだ。若くて可愛い瑞希さんに合ったフリフリのウエディングドレス。
そして、高木院長のタキシード姿も凛々しい。
皆に祝い酒を注がれ、少し顔が紅い。
でも、ふと気が抜け、視界がグラついた。
まだ…ダメ…披露宴の進行が後半分残ってるのに、私はプランナーとして…最後まで。
仕事だけは…仕事だけは…最後までこなさないと。
自分の選んだ道。
一人で莉緒を育てる為に歩いた道。
二人の未来を・・・
「痛っ・・・」
急に下腹部に鋭い痛みが走った。
―――何この痛み…まさか…流産?
私はその場に蹲ってしまった。