HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
俺が搭乗する頃にはすっかり辺りは夜の帳の幕が下りていた。

最低限度の荷物だけを機内に持ち込み、シートにへと腰を下ろす。

次々と搭乗して来る客。
エコノミークラスと違い、ビジネスクラスは平日の夕方便とあって、俺と柏原、そして俺達と同じスーツを着た会社員風の男性が三人程しか居なかった。


「そう言えば…」

「どうしました?」

「ほら、先月新橋で出逢った怪しげな易者で言っていた…」

「!?」

「『青い空の中で運命の出逢いをする』と…」

「へぇー…」


「俺も酔っていたし…適当に訊き流したが…」

「そうですか…」

「まぁ、全く信じてはいないが・・・」

ゆっくりと動き始める機体。

俺も柏原もシートベルトを着けて、離陸の瞬間を待つ。





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