HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
―――こうしてロンドン行きに搭乗するのはこれで三度目。

ロンドンの中心にある歴史ある老舗ホテル・カールソンホテル
向こうには良き条件を付け、契約を持ち込ん出るのに、なかなか首を縦に振ろうとしない。
三度目の正直で本契約にこぎ着けたい。

そして、何として副社長としての実績を積み、父に仕事で認めて貰いたい。

俺はそう強く思っていた。


機体は闇の空へと向かって行く。

無事に離陸を終え、ビジネスクラスにワゴンを引いたCAが来た。
「飲み物はいかがですか?」

「ん、あ」

ゆったりとしたシートに足を投げ出していた俺は慌てた。

「コーヒーを頼む」
「畏まりました」


CAは笑顔で返して、俺にコーヒーを淹れてくれた。

小顔で瞳のクリッとした整った顔立ちの女性。

俺のモロタイプ。

「んっ?」

彼女の胸許のネームプレートを見て、ふと易者の言葉が脳裏を過る。

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