HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
『羽田国際空港』
俺と柏原はファーストクラスのチュックインカウンターまでキャリーケースを引いて空港ロビーを移動していた。

全面硝子の向こうには沢山の飛行機が離着陸していた。
六月にしては空は快晴。今日の空の旅は快適に過ごせそうだ。
ロビーに流れるアナウンス。

行き交う人々の合間を縫い、進んでいく。

俺の目の前を大手航空会社『エアホース』の制服に身を包んだパイロット二人、CA三人がすれ違った。

「水瀬さんは本当にご冗談好きですね…」

CAの声に俺は足を止めて振り返る。

若いパイロットの方が足を止めて俺の方を振り返った。

水瀬…

彼が葵の旦那?

「少し先に行ってて下さい…キャプテン」

「分かった…」

年配のパイロットとCA達は先を急いだ。

「柏原、先に行っててくれ」

「承知しました…」


水瀬さんの方から近づいて来た。

「貴方が葵の…」

「葵から貴方のコトは訊いています。宇佐美社長」


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