耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー


公園に入ってしばらくすると、ちらちらと白いものが降ってきた。

「あ、雪っ!」

どうりで寒いわけだ。
美寧はコートの上から巻いていたストールを口元に引き上げる。

「寒いですか?」

そう訊いてきた怜の口から白い息がのぼって行く。

「大丈夫。コートもストールもあったかいもん」

美寧が着ている真っ白なコートは、兄からのクリスマスプレゼント。襟と袖口に真っ白なファーがついていて暖かい。
肩から掛けたストールは父からで、シンプルなものだが、カシミア製で暖かく肌触りもよい。柔らかなピンクベージュが、美寧にとても似合っている。
愛情のこもった家族からのプレゼントに、美寧の体だけではなく心も温まる。

「俺もとても暖かいです」

怜が首元に手を遣る。そこには紺色のマフラー。

「よかった~~」

美寧が嬉しそうにはにかむ。
怜が『誕生日プレゼントに欲しいものがある』と言った為、美寧が用意していたマフラーは“クリスマスプレゼント”として渡したのだ。

怜はとても喜んでくれて、早速今日から使ってもいいかと訊いてくれた。

「使ってくれてありがとう。れいちゃん」

「こちらこそ、素敵な贈り物、ありがとうございます」

そんな会話をしながら微笑み合っているうちに、どんどん空からは白い雪が舞い降りてくる。
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