耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
真っ赤になって何も言えない美寧を連れて、怜はそのままエスカレーターを下りた。
降り立ったフロアは二階。駅との連絡通路がある階だ。
(涼香先生に感謝しなきゃ……)
『せっかくこんなに可愛くなったんだもの。デート、楽しんで来てね』
涼香が言った通り、こんな風に“イマドキの女の子”みたいな恰好で怜とショッピングを楽しんだ。ドキドキもわくわくも、今日一日で何度味わっただろう。怜にも『綺麗』と言ってもらえた。
これから電車に乗って帰るのは少し名残惜しい気もするけど、これ以上贅沢を言ったらバチが当たるような気がする。
そんなことを考えながらフロアの通路を歩いていると、怜が突然足を止めた。
「ミネ———少し見てもいいですか?」
「うん?」
彼の視線の先には腰の高さほどのショーケース。その中にはいくつものアクセサリーが並べられている。
怜は宝飾品に興味があったのだろうか。美寧は不思議に思う。
最近は男性がピアスやネックレスをすることも多いけれど、怜がそれらを付けているのを見たことはない。いつも身に着けている装飾品は時計くらいだ。
ショーケースを覗き込んでいる怜につられて、美寧も中を覗き込んだ。ガラスケースの中には、様々な石がライトの光を受けてキラキラと輝いている。
(きれい……)
その輝きに美寧も思わず見とれてしまう。
美寧に貴金属をつける習慣はない。肌が弱いからということはないけれど、祖父と暮らしていた時から装飾品はほとんど着けていなかった。持っているのは成人の祝いにと祖父が贈ってくれた真珠のネックレスとイヤリング、そして母の形見だという指輪だけ。
それでも宝石やアクセサリーが嫌いなわけではない。むしろ好きだと思う。ゆったりと隠居生活を送る祖父との暮しでは、沢山持っていても着けていくところも無く、必要だと思えなかっただけ。
ペアリング、大粒のダイヤモンドをあしらった指輪、ピアス、それと揃いのブレスレット———
石もデザインも様々なアクセサリーを見ながらショーケースに沿って歩いていた時、美寧の足が一瞬止まった。
降り立ったフロアは二階。駅との連絡通路がある階だ。
(涼香先生に感謝しなきゃ……)
『せっかくこんなに可愛くなったんだもの。デート、楽しんで来てね』
涼香が言った通り、こんな風に“イマドキの女の子”みたいな恰好で怜とショッピングを楽しんだ。ドキドキもわくわくも、今日一日で何度味わっただろう。怜にも『綺麗』と言ってもらえた。
これから電車に乗って帰るのは少し名残惜しい気もするけど、これ以上贅沢を言ったらバチが当たるような気がする。
そんなことを考えながらフロアの通路を歩いていると、怜が突然足を止めた。
「ミネ———少し見てもいいですか?」
「うん?」
彼の視線の先には腰の高さほどのショーケース。その中にはいくつものアクセサリーが並べられている。
怜は宝飾品に興味があったのだろうか。美寧は不思議に思う。
最近は男性がピアスやネックレスをすることも多いけれど、怜がそれらを付けているのを見たことはない。いつも身に着けている装飾品は時計くらいだ。
ショーケースを覗き込んでいる怜につられて、美寧も中を覗き込んだ。ガラスケースの中には、様々な石がライトの光を受けてキラキラと輝いている。
(きれい……)
その輝きに美寧も思わず見とれてしまう。
美寧に貴金属をつける習慣はない。肌が弱いからということはないけれど、祖父と暮らしていた時から装飾品はほとんど着けていなかった。持っているのは成人の祝いにと祖父が贈ってくれた真珠のネックレスとイヤリング、そして母の形見だという指輪だけ。
それでも宝石やアクセサリーが嫌いなわけではない。むしろ好きだと思う。ゆったりと隠居生活を送る祖父との暮しでは、沢山持っていても着けていくところも無く、必要だと思えなかっただけ。
ペアリング、大粒のダイヤモンドをあしらった指輪、ピアス、それと揃いのブレスレット———
石もデザインも様々なアクセサリーを見ながらショーケースに沿って歩いていた時、美寧の足が一瞬止まった。