偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
あまりに嬉しそうだからいつも、もっと喜ばせたいなって頑張っちゃうんだよね。

食後はソファーで並んで、一緒にコーヒーを飲む。

「……これ」

そっと彼の目の前に、準備していた小箱を滑らせる。

「李亜から俺にプレゼント!?
マジか!?
ありがとう!」

「ぐえっ」

背骨の破壊も辞さない勢いで抱きつかれ、思わず変な声が漏れた。

「あ、すまん……。
開けて、いいか」

人差し指で少し赤くなった頬をぽりぽりと掻きながら、彼は箱に手をかけた。

「どうぞ」

なんだか見ている私まで恥ずかしくなって、つい視線を外してしまう。

「……!」
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