偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
私はファーストピアスだから全く同じものにはできないが、それでも似たものを作ってもらった。
役目を終えたあと、ダイヤは再利用して彼と同じものを再オーダーできることも確認済みだ。

「李亜ー!」

「ぐえっ」

一瞬、背骨がごきっといった気がしないでもない。

「可愛いな、ほんとに李亜は可愛いな。
なにが欲しい?
なんでも欲しいものを買ってやるぞ?
着物か?
宝石か?
あ、島を買って李亜島と名付け、別荘でも建てるか!」

はっはっはーっ、なんて御津川氏は笑っているけれど。
最初のふたつはわかる。
が、最後のがちょっと理解できない。
しかし、ここは華麗にスルーしておく。
そんなことを気にしていたらセレブ妻は務まらないのだと、もう学習した。

「なにも買ってくれなくていいので。
お願いをひとつ、だけ」

そのために、このプレゼントを計画した。
これだけ上機嫌だったらだ丈夫かな?
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