偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「そっか……」

私のファーストキスは、初めから御津川氏――慧護だった。
それがこんなにも、嬉しい。

「李亜……」

ネクタイを抜き取った彼が、再び覆い被さってくる。

「慧護。
愛してる」

一瞬、大きく見開かれた彼の目が、僅かに潤む。
腕を絡めて彼を引き寄せ、今度は私から唇を重ねた。
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