偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
眼鏡を外した彼は、ジャケットを脱ぎ捨てた。

「愛してるって言っただろ」

言った、披露宴の時に。
でもあれは、お芝居で。

短い口付けを繰り返しながら、彼が器用に私の服を脱がしていく。

「愛してる、李亜。
神に誓ったこの気持ちに、嘘偽りはない」

それってどういうこと?
御津川氏は私を買ったのに。
考える隙を与えないかのように彼に翻弄された。
そして――。

「いっ、たーい!」

彼に貫かれ、悲鳴が漏れる。
途端に彼は、動きを止めた。

「は?
もしかして、しょ……」

「皆まで言うな」
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