偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
おかゆに突っ込んだスプーンが止まる。

「なんでそんなこと、知ってるんですか?」

御津川氏の昨日の話だと、私を知ったのはあの結婚式のときのはず。
でも、いまの口ぶりだともっと前から知っていたような……?

「ん?
……披露宴の間に、憲司に調べさせたんだよ」

一瞬、テーブルのなにもないところを見た彼は、すぐになんでもないように笑ってきた。

「それより、早く食え?
今日はやることがいっぱいなんだからな」

「はぁ……」

御津川氏はいったい、私のなにを知っているのだろう。
なんで、どうして。
そんな疑問ばかりがあたまを占めるが、彼は説明してくれそうにない。

朝食のあと、外してどうしようか悩んでいた結婚指環を嵌められた。

「これは俺からのプレゼントだ」

「え?」
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