オフィスラブはじまってました
明日は月曜なので、早めに切り上げ、みんな片付けはじめた。
201号室は人がいるのか、いないのか。
庭からいい匂いがしていても、こちらを覗くこともなかった。
ひなとがそちらを窺っていると、使わなかった炭の入った箱を手に、柚月が言ってくる。
「今日聞いたみんなの夢、興味深かったな」
「そうですね。
緒方さんのヒットマンは、らしすぎて笑っちゃいましたけど」
とひなとは帰っていくご近所さんたちと柵越しに話している緒方を見て笑う。
すると、柚月が訊いてきた。
「それで?
お前はいつから、ハムスターになりたかったんだ?」
「……私の夢はハムスターじゃないですよ。
真顔で酔ってますね、柚月さん」
そうひなとは言った。