オフィスラブはじまってました
 すらりとして腰の位置の高いOL風の美女がそのイケメン様に向かい、手を振っているようだ。

 むむ。
 イケメン様の彼女とか? と思わず、身を乗り出すと、その美女の後ろにもイケメンがいた。

 今、Uターンしてバス停に戻っていっているイケメン様よりガッチリした体格のイケメンだ。

 うわっ、すっごい好みの体型っ!

 ……と思ったら、檜村部長っ?

 そういえば、檜村部長とあの女、いつもこのくらいの時間にバスでやってきてるような……。

 ってことは、あの美女はつり輪の女っ、と惟子は更に身を乗り出す。

 つり輪の女は戻ってきたイケメンと、そこにいるイケメンとに囲まれて、なにやら話しているようだった。

 おーのーれー、つり輪の女めっ。

 イケメンの独り占めは許さん~っ。

 玉梓(たまずさ)が怨霊~っくらいの勢いで惟子は目を見開き、早朝からやけにキラキラしたビジュアルの三人を眺める。

 なんかの爽やかポスターか、貴様らはっ。
< 326 / 576 >

この作品をシェア

pagetop