オフィスラブはじまってました
「進展?
 シングルバーナーから最近は、炭火焼きになったが」
と言って、

「そういうの聞いてんじゃないよ。

 誤魔化すなよ。
 お前もちょっといいなと思ってるんだろ? ひなとちゃん」
と言われる。

 ちょっといい?
 あのハムスターを? 俺が?

「ひなとちゃんもお前の道楽によくつきあってくれてるんだろ?
 まんざらでもないんじゃないの?」
と言われるが。

 いや、それは単に、あいつ自身が煮たり焼いたり食ったりするのが好きなだけなのでは、と思っていた。

「まあ、二人ともぼんやりしてるからなかなか話が進まないよね。
 たまには強引に出てみたら?」
と水橋は言うが。

 強引に出てどうしろと言うんだ。

 どう強引になにができるんだ、あいつに。

 寝袋に入ってるんだぞ、と思ってしまう。
< 341 / 576 >

この作品をシェア

pagetop