オフィスラブはじまってました
「月初めの第一金曜日の夜は大抵ついてるね」
「そ、そうなんですか?
……あ、でも、誰か住んでらっしゃるのなら、明かりがついててもおかしくないんじゃないですか?」
「いやいやそれがさ」
とまるで、すぐそこで、201号室の住人が聞いているかのようにおじさんは身を乗り出し、声をひそめた。
「201号室はさ、煌々と普通の照明をつけてることってないんだよ。
いつも、蝋燭か電気スタンドの明かりみたいなのが、ぼんやり見えるだけなんだ。
まるで、潜んでるみたいだと思わない?」
「と、逃亡犯とか?」
とひなとは言ってみたが、
「201号室、柚月よりも前からいるんだろう?
そんなに長く、アパートや近所の人間に見つからずに生活できるものなのか?
幽霊だって方が合理的じゃないか?」
とどの辺が合理的なのかわからないが、緒方が言ってくる。
「そ、そうなんですか?
……あ、でも、誰か住んでらっしゃるのなら、明かりがついててもおかしくないんじゃないですか?」
「いやいやそれがさ」
とまるで、すぐそこで、201号室の住人が聞いているかのようにおじさんは身を乗り出し、声をひそめた。
「201号室はさ、煌々と普通の照明をつけてることってないんだよ。
いつも、蝋燭か電気スタンドの明かりみたいなのが、ぼんやり見えるだけなんだ。
まるで、潜んでるみたいだと思わない?」
「と、逃亡犯とか?」
とひなとは言ってみたが、
「201号室、柚月よりも前からいるんだろう?
そんなに長く、アパートや近所の人間に見つからずに生活できるものなのか?
幽霊だって方が合理的じゃないか?」
とどの辺が合理的なのかわからないが、緒方が言ってくる。