オフィスラブはじまってました
 柚月は少し困った顔をしたあとで、
「……そのままいればいいんじゃないか?」
と言ってきた。

「そうですよねー。
 なんか最初に澄子さんに、此処に住んだ人は、みんなハッピーエンドになって出ていくと聞いたもので。

 そこがゴールな感じがしてましたけど。
 別に、あそこにずっと住んでてもいいんですよね。

 あ、でも、皆さんがハッピーエンドになって出て行かれかもしれないですよね。

 私、ひとりになってしまったら、どうしましょう。

 ……あれ?
 柚月さん?」

「そろそろ着くぞ」
と柚月は話に相槌を打つこともなく立ち上がる。

 ……えーと。
 微妙に機嫌悪くないですかね?

 私、なにか悪いこと言いましたかね……?

 必死で話題に出すまいとしている昨夜のことが、柚月さんも気になっているとか?
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