オフィスラブはじまってました
「幼稚園のとき、小児科の若先生に恋をしてから、ずっと。
 私は自他ともに認めるイケメン好きとして知られてきたわ。

 その若先生、今は頭髪があれれれ……なんだけど。
 でも、格好いいものは格好いいわ」

「そ、そうなんですか」

「なのに……、
 この間、コンパで出会った、どう見てもイケメンじゃない人が気になって仕方がないのよっ」

「ああ、土曜のやつ」
と惟子が言う。

 週末忙しい理由は、コンパだったようだ……。

「好みじゃないのに気になるのなら、それは完全に恋じゃないですか?」
と真希子が横から口を挟んでいた。
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