オフィスラブはじまってました
「でもっ、あれだけ、イケメンイケメン言ってたのにっ。
 結婚式で、新郎がイケメンでなく、お金持ちでもなかったら、お前、なに目当てだよって、みんなに言われないかしらっ?」

「いや、よっぽど好きだったのね、と思うだけよ」
と惟子が言う。

「って、なにもう結婚まで、頭の中行ってんのよ。
 フラれるかもしんないじゃん」

「えっ? この私が?
 あの冴えない男にっ?」

「冴えない男にも好みがあるでしょうよ。
 ほら、連絡先聞いたんでしょうが。

 メッセージ送ってみなよ」
と惟子がその場でスマホを出させている。

 さすが、行動が早い。

 真希子が感心しながら呟いていた。

「恋に落ちる前は、みんないろいろ条件並べてるけど。
 結局のところ、好きになるポイントって、イケメンなとこでも、お金持ちなとこでもないんでしょうね」

「そうか……。
 やっぱ、そうですよね」
とひなとは、いつもイケメンかお金持ち~と言っている瑠美子の変貌ぶりに微笑ましく笑ったが、何故か、みんなに白い目で見られる。
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