オフィスラブはじまってました
「お、落ち着いてくださいっ、惟子さんっ」
と真希子が止める。

「離してちょうだいっ。
 私は結婚式で、黒坊主さまに会うのよっ」

 いや、お坊さまには別の場所で会っていただきたいんですが。

 何故に、式で。

 真希子は、まあまあ、となだめながらも、
「でもいいですね。
 きっと水橋さんも来ますよね」
と柚月の前に座る水橋を見ながら笑う。

「あのでも、そもそも私と柚月さんは、そんなんじゃ……」

「そんなんじゃあるわよ」
とスマホの画面を睨みつけるように見て打ちながら、瑠美子が言ってくる。
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