オフィスラブはじまってました
「澄子さん、パワフルだからな」
と柚月が苦笑いして言ってきた。

「お若いですよね。
 この間、私はまだ、気持ち的にはガールだっておっしゃってましたよ」

 いや、ガールはさすがに無理があるだろう……、という顔をする柚月に、ひなとは言う。

「100歳すぎのジイさんから見たら、私なんてまだまだガールだ、小娘だとおっしゃってました。

 物は考えようですよね」

「……そうだな。
 ところで、今日も一日忙しくて疲れたな」

「そうですね」

「そろそろ寝るか」

「いえ、まだ大丈夫ですよ。
 珈琲飲んだし、眠くないです。

 あ、そうだ。
 お兄ちゃんが追加の釣り道具を送ってくれてましたよ」
とひなとは送られてきていたダンボールをとりに立ち上がる。

 後ろで柚月が、何故か、
「……淹れるんじゃなかったな、珈琲」
と呟いていた。




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