オフィスラブはじまってました
初めは、そんなに乗り気でない風にダンボールを開けていた柚月だったが。
丁寧に一品一品確認して見ながら、
「さすがはお兄さんだ」
と唸り、
「ぜひ、今すぐお礼を言いたい」
と言い出した。
とりあえず、LINEで礼を言ったのだが、返事はなく、電話がかかってきた。
「そうか。
柚月、気に入ってくれたかー」
と二人で話し出す。
「はい。
またいつかお兄さんと一緒に夜釣りがしたいです」
と二人で盛り上がり始めた。
あの……、ちょっと寂しいんですが……、
とひなとはダンボールを開けたことを後悔しながら、膝を抱え、ひとり冷えた珈琲を飲む。