君にずっと恋してる〜叶わない恋だとしても〜
毎日の朝がやってきた。

「りん〜!お母さん行ってくるよ!
愛してる。」  

いつも、変わらないお母さんの元気な声。

私は、上布団を顔まで上げた。

「はぁーい」

小さくて、力のない声で、返事をした。
、布団の中で声は余計にこもって
お母さんに聞こえたかは、わからない。

急に、胸がギューっとなって
音を立てず涙がスーっと頬をつたって髪を濡らした。

中々眠れなかったせいか、少し身体が重い。ゆっくり身体を起こして学校へ行く準備をした。

《ピリリン〜》

…ラインだ。…誰…?

携帯を手に取り、ラインを開いた。

陽子だった。

《おはよう〜。今日も学校で待ってるぞ〜》

昨日。泣きじゃくる私を抱きしめてくれ。
そのあとは、黙ってただ傍にいてくれて、

陽子の優しさに、私は、甘えてばかりで。
ごめんね。
陽子の事が大好き!だって胸が熱くなった。

こんなに想ってくれる親友がいるのに。
一人、悲劇のヒロインを演じて。
陽子ごめんなさい。

《おはよう〜!うん!学校で〜》

さっきまでの雲がかかっていた心に
穏やかな風が吹いて、雲は
何処かに流れて行っていた。
 
お母さんが作ってくれた朝食を慌ててほうばり、お弁当も持った。
制服も着替えて、

よぉ〜し!

気合いを入れ玄関へ向かった。

玄関にある鏡に目をやって、

笑顔を作ってみた。




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