君にずっと恋してる〜叶わない恋だとしても〜
こんなに近い…

でも、目の前にいるのは…剛くん。

剛くんを見ながら視界の端には、
ベッドに寝ている人の足元が映る。

剛くんに近寄り、大丈夫!と訴えるように 
目で頷いた。

剛くんは、ニコッと微笑むと
姿勢を起こし、真面目な顔をしてベッドの方を見ながらベッドの方に近づいた。

お母さんが立ち上がり

「…リンちゃん?」

静かな物言いで話した。

「はいっ」

声がうまく出なくて、返事しか出来なかった。

〜ジャラジャラジャラ〜

ベッドを囲んでいたカーテンを開ける音がして、そちらを見た。

剛くんが少しづつ開けていた。

足元から次は身体が見えて…次は…。

 目をつぶり、眠っている。

…ひっ…尋斗…く…ん?

「ひっ!尋斗くん!」

思わず私は叫んで尋斗くんの顔あたりに
かけよった。

…尋斗くん…尋斗くん…。

心の中で何度も何度も名前を呼んで
彼の顔を見た。

間違いない。尋斗くんだ。

止めどなく涙が溢れて止まらなくなった。

色々な事が胸に押し寄せて、ただ、ただ、涙が溢れてしまう。

彼と話した言葉…彼の目…彼の声…彼の…彼の…。

《好き》の気持ちの想いも溢れて止まらなくなる。

好き…好きだよ。私も…貴方が好き!

彼も同じ気持ちでいてくれた、両思いだった。

彼が目の前に居る。

お母さんや、剛くんが居ることも忘れて 思わず尋斗くんの顔に私の顔を近づけた。





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