君にずっと恋してる〜叶わない恋だとしても〜

「起きて…りんちゃん」

優しい甘い声。

ごう…くん?

私は、ゆっくり目を開けた。

だんだん、周りの賑やかな声に
ハッと目を覚ました。

…駅?ホーム?

私はいつものホームにいた。

そこには、剛…くんがいた。

「私ホームでねちゃってたんだね笑」

剛くんは、何も言わずただ私を見て立っていた。

「…剛?くん?…」

顔をよく見てみると、右目の下にホクロがある。

……えっ!?…えっ?

ひっ…尋斗くん!?

慌てて座っていた椅子から
勢いよく立ち上がって、彼の顔を確かめた。

尋斗くん…だ。

「尋斗くんやっぱり寝てただけだったんだね~?私を驚かしたかったの?
でも、よかったぁ〜〜」


メガネの後ろの小さな垂れ目。
やはり、少し、剛くんとは違う。

尋斗くんの方が垂れ目かもしれない。

二人は好きどおしなんだもん。
 
もう。遠慮なんて要らないよね。

私は嬉しくて笑顔が止まらない。

好きが溢れてくる。

想いが止まらない。

私は、尋斗くんの左腕の服を右手つで握り

「ねぇ〜。聞いてる?」

そう言って。

精一杯、背伸びしてみた。

尋斗くんの顔に私の顔を少しでも近づけたくて。


彼も笑顔になっていたけど、


…なんだろ?違和感がある。


「尋斗くん?」


ただ、黙って私を見ていた。



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