君にずっと恋してる〜叶わない恋だとしても〜
《2日目》

いつもの朝は、

お母さんの「いってくるね〜」の声に目が覚める。

…が、しかし、今日からは違う!

彼と会えるかもしれないのだから
いつもより早めに起きて、素早く着替え
寒さなんてなんでもない!

ソワソワしてしまって落ち着かないから
早めに家を出ることにした。

いつもより前髪も可愛らしいピンでとめて
リップもつけて。

スキップを踏むように足取りは軽く駅に向かった。

…が。しかし。ホームはやっぱり寒いなぁ。
同じ車両に乗るかもわからないし‥。

電車を待っているうちに
だんだん、不安と期待が入り乱れていく。

目線をあちらこちらに向けて彼を探してみた。だけど姿は見えない。。

ううん。絶対会える!会えるんだ!

自分に暗示をかけながらまた、周りを見渡してみた。

「…あっ!!いっ!‥いた!!」

いた!いた!いた!いたーー!!

彼を見つけた瞬間からは、彼にスポットがあたったかのように。彼が輝いて彼しか見えない。

…お願い!彼のそばにいかせて!

ホームにいる人をかきわけながら、
彼から目を離さないように彼の側に向かった。

ホームで待ちすぎて寒さに震えていたけれど、まるで春が訪れたかのように
私の体温が一気に上がった。

彼を見失わないように
少しでも近くにいれるように、彼について
慌てて同じ車両に乗り込んだ。

…昨日の事…。覚えてくれてるのかな…。
…覚えていて欲しい。

彼の隣にそっと並んでみた。
後から後から押し寄せてくる人達に押されて、

彼は入り口のすぐ横に。

私は、どんどん奥にと押されて彼から離れていく。

…いやだぁー!離れたくない!

心はそう、叫ぶけれど…。

必死に抵抗するけれど…。

あぁ。。

この勢いには残念ながら、悲しいくらいに
負けてしまう…。

「…はぁ…」

ため息をついた。

ほんの少し隙間から見える彼の後ろ姿を見つめるしかない…。

…それでもいい。  そう思おう。。

彼の背中は大きい。
私はずっと目線を離さず彼を眺めていた。

今日は、彼と会えた。
…神様。私の勝手な願いを叶えてくれてありがと〜。

よぉーし!また、
明日‥明日にかけてみるしかない。

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