極上イケオジCEOのいちゃあま溺愛教育 ~クールで一途な彼の甘い独占欲~【完結】
第二章 想像していた仕事ではありませんっ!
22.初出勤です!
翌朝。
ちひろは、出勤一日目にして躓いてしまったことに気がついた。
「もしかして早く出勤し過ぎて、社内に入れないんじゃ……」
二度と遅刻してはならないと気負い過ぎ、定刻より一時間前に到着してしまった。
セキュリティ解除してもらわないと中に入れないことを、ドアの前で思い出したのである。
誰か出勤していないか一縷の望みをかけて、呼び出しボタンを押してみる。
すると、すぐに開錠されて、中に入ることができた。
「もしかして、みんな出社早いのかな?」
中に入ると、淹れたばかりと思わしきコーヒーの香りがした。
見ると、逢坂が給湯室で、コーヒーサーバーを持って立っている。
今日も、ちょい悪オヤジテイストな渋いスタイルだ。
胸元がセクシーにはだけた七分袖の白シャツに、膝が破けたブルーデニム。
素足に直接モカシンタイプのスエード靴を履いている。
サラリと髪を後ろに流し、鼻の下から顎までを無精ヒゲで取り巻き、色のついたサングラス。
……室内でもサングラスをかけている理由はなんだろう。
それにしても、こんなとびきりかっこいいちょい悪オヤジを朝から目にするとは、実に心臓に悪い。
ドキドキが止まらなくなりそうだ。
「おはようございます」
「ああ。おはよう。早いな。もう道に迷うことなんてないだろうに」
逢坂が大きなマグカップにコーヒーを注ぎながら答えた。
ちひろがいくら天性的に鈍くさくても、昨日の今日で道に迷うわけがない。
一時間も早く出社したのは別の理由だ。
「はい。掃除しようと思って早めに出勤しました」
「掃除?」
以前の会社では、一時間前出社が義務づけられていた。
もちろんタイムカードを押してはいけない。
仕事があろうがなかろうが、社長が一時間前に出社しているからみな出社するという悪しき風習だ。
しかし一番若い社員であったちひろは、その一時間雑用だらけであった。
社内とトイレの掃除、汚れたコップ洗い。
新聞を読んでいる社長に、淹れたての茶を出す。
てっきりそういう業務もあるものだと思っていたちひろは、早めに出社して掃除と雑用をしようと思っていたのである。
「掃除は業者が入っているから、する必要はない」
「そうなんですか。どおりで……」
オフィス内が驚くほど綺麗だと思った。
やはり専門の業者は違うと、ちひろは感心する。
「じゃあ、お茶でも……」
と言いかけて、逢坂が湯気の立つコーヒーカップを持っている姿を見て口を閉ざす。
(もしかして社長自らコーヒーを淹れているの? ええ?)
「まだ早いし、コーヒーでも飲んでゆっくりしていなさい」
彼はそう言うと、手に持っていたコーヒーカップをちひろに渡してきた。
「あ、ありがとうございます」
受け取ると、上質なコーヒーの香りが鼻腔をくすぐった。
逢坂は新しいコーヒーカップを取り上げると、自らコーヒーを注いた。
そのまま窓際の一番大きなデスクに向かうと、椅子に腰をかける。
ちひろは、出勤一日目にして躓いてしまったことに気がついた。
「もしかして早く出勤し過ぎて、社内に入れないんじゃ……」
二度と遅刻してはならないと気負い過ぎ、定刻より一時間前に到着してしまった。
セキュリティ解除してもらわないと中に入れないことを、ドアの前で思い出したのである。
誰か出勤していないか一縷の望みをかけて、呼び出しボタンを押してみる。
すると、すぐに開錠されて、中に入ることができた。
「もしかして、みんな出社早いのかな?」
中に入ると、淹れたばかりと思わしきコーヒーの香りがした。
見ると、逢坂が給湯室で、コーヒーサーバーを持って立っている。
今日も、ちょい悪オヤジテイストな渋いスタイルだ。
胸元がセクシーにはだけた七分袖の白シャツに、膝が破けたブルーデニム。
素足に直接モカシンタイプのスエード靴を履いている。
サラリと髪を後ろに流し、鼻の下から顎までを無精ヒゲで取り巻き、色のついたサングラス。
……室内でもサングラスをかけている理由はなんだろう。
それにしても、こんなとびきりかっこいいちょい悪オヤジを朝から目にするとは、実に心臓に悪い。
ドキドキが止まらなくなりそうだ。
「おはようございます」
「ああ。おはよう。早いな。もう道に迷うことなんてないだろうに」
逢坂が大きなマグカップにコーヒーを注ぎながら答えた。
ちひろがいくら天性的に鈍くさくても、昨日の今日で道に迷うわけがない。
一時間も早く出社したのは別の理由だ。
「はい。掃除しようと思って早めに出勤しました」
「掃除?」
以前の会社では、一時間前出社が義務づけられていた。
もちろんタイムカードを押してはいけない。
仕事があろうがなかろうが、社長が一時間前に出社しているからみな出社するという悪しき風習だ。
しかし一番若い社員であったちひろは、その一時間雑用だらけであった。
社内とトイレの掃除、汚れたコップ洗い。
新聞を読んでいる社長に、淹れたての茶を出す。
てっきりそういう業務もあるものだと思っていたちひろは、早めに出社して掃除と雑用をしようと思っていたのである。
「掃除は業者が入っているから、する必要はない」
「そうなんですか。どおりで……」
オフィス内が驚くほど綺麗だと思った。
やはり専門の業者は違うと、ちひろは感心する。
「じゃあ、お茶でも……」
と言いかけて、逢坂が湯気の立つコーヒーカップを持っている姿を見て口を閉ざす。
(もしかして社長自らコーヒーを淹れているの? ええ?)
「まだ早いし、コーヒーでも飲んでゆっくりしていなさい」
彼はそう言うと、手に持っていたコーヒーカップをちひろに渡してきた。
「あ、ありがとうございます」
受け取ると、上質なコーヒーの香りが鼻腔をくすぐった。
逢坂は新しいコーヒーカップを取り上げると、自らコーヒーを注いた。
そのまま窓際の一番大きなデスクに向かうと、椅子に腰をかける。