極上イケオジCEOのいちゃあま溺愛教育 ~クールで一途な彼の甘い独占欲~【完結】
47.私、甘やかされていたんですかっ!?
「は……はい。わかりました……すみません」
なんだかひどい言われかただなあと思う。
しかし高木のコメントは、ほかの社員の総意のようであった。
誰もちひろを庇おうとはせず、高木と同じような棘ある視線で見てくるのである。
(つい興奮して口にしちゃったけど、社長に対してセクハラなんて確かに失礼だったわ。私ったら……もう……非常識と怒られても仕方ない……)
地の底まで落ち込みそうなほど反省していると、高木が打って変わった可愛い声で、逢坂に話しかけていた。
「逢坂社長。Sサイズが余ったので、サンプル置き場にしまっておきますね」
「ああ。誰かモニターしたいひとがいたら、勝手に使ってくれ」
「はーい」
先ほどのシームレスレースショーツは、壁に並んでいる引き戸の書庫の中に収納されてしまった。
みな何ごともなく業務に戻るが、ちひろはどうしてもそのショーツが気になってしまう。
ランチ休憩の誰もいないときを見計らって、その一枚を手に取る。
レース部分や縫い目の部分を、まじまじと凝視した。
「本当だ……繋ぎ目がほとんどない」
ちひろがよく見るタイプのシームレスと、まったく違う。
シンプルなのにレースの模様が美しいから、とても上品に見えるのだ。
「勝負用にもなるかなあ?」
勝手に使っていいと逢坂は言っていた。
ちひろはそのショーツを小さくたたむと、トートバッグの中に入れる。
そのあとは何ごともなかったように、業務に打ち込んだ。
なぜかはわからないが、早く家に帰ってこのショーツをフィッティングしてみたい。
みんなのように、ちひろも楽しみたいと思ったのだ。
§§§
ちひろはアパートに戻ると、用意した簡単な料理をミニテーブルの上に並べた。
白米、インスタントの味噌汁、納豆、鶏肉のピカタ。
ありがたいことに、農業を営む実家が定期的に白米を送ってくれるおかげで、食べるものには困らなかった。
父母には感謝するしかない。
「いただきます。さてと……」
片手には箸、反対の手にはスマートホン。
準備は万端である。
チャットアプリで元同僚の友人たちと現状報告をするのが、ひとりきりでとる夕食時の日課であった。
『つい口が滑っちゃって、セクハラとか言わなくていいこと叫んじゃったんです。すごく怒られて、泣きそうになっちゃいました ><』
いつもならすぐに誰かが慰めや助言を返してくれるのに、ここ数日は反応が弱かった。
今日も、食事を終えても既読にすらならない。
風呂から上がった頃、ようやくチャットアプリがピロリンと鳴ったので、バスタオルを巻きつけたままの姿で確認する。
だがチャットアプリに流れてきたのは、思っていたものとはほど遠い返事であった。
『ちひろは最年少で甘やかされていたからね。やっと社会の厳しさを知ることになってよかったんじゃない?』
なんだかひどい言われかただなあと思う。
しかし高木のコメントは、ほかの社員の総意のようであった。
誰もちひろを庇おうとはせず、高木と同じような棘ある視線で見てくるのである。
(つい興奮して口にしちゃったけど、社長に対してセクハラなんて確かに失礼だったわ。私ったら……もう……非常識と怒られても仕方ない……)
地の底まで落ち込みそうなほど反省していると、高木が打って変わった可愛い声で、逢坂に話しかけていた。
「逢坂社長。Sサイズが余ったので、サンプル置き場にしまっておきますね」
「ああ。誰かモニターしたいひとがいたら、勝手に使ってくれ」
「はーい」
先ほどのシームレスレースショーツは、壁に並んでいる引き戸の書庫の中に収納されてしまった。
みな何ごともなく業務に戻るが、ちひろはどうしてもそのショーツが気になってしまう。
ランチ休憩の誰もいないときを見計らって、その一枚を手に取る。
レース部分や縫い目の部分を、まじまじと凝視した。
「本当だ……繋ぎ目がほとんどない」
ちひろがよく見るタイプのシームレスと、まったく違う。
シンプルなのにレースの模様が美しいから、とても上品に見えるのだ。
「勝負用にもなるかなあ?」
勝手に使っていいと逢坂は言っていた。
ちひろはそのショーツを小さくたたむと、トートバッグの中に入れる。
そのあとは何ごともなかったように、業務に打ち込んだ。
なぜかはわからないが、早く家に帰ってこのショーツをフィッティングしてみたい。
みんなのように、ちひろも楽しみたいと思ったのだ。
§§§
ちひろはアパートに戻ると、用意した簡単な料理をミニテーブルの上に並べた。
白米、インスタントの味噌汁、納豆、鶏肉のピカタ。
ありがたいことに、農業を営む実家が定期的に白米を送ってくれるおかげで、食べるものには困らなかった。
父母には感謝するしかない。
「いただきます。さてと……」
片手には箸、反対の手にはスマートホン。
準備は万端である。
チャットアプリで元同僚の友人たちと現状報告をするのが、ひとりきりでとる夕食時の日課であった。
『つい口が滑っちゃって、セクハラとか言わなくていいこと叫んじゃったんです。すごく怒られて、泣きそうになっちゃいました ><』
いつもならすぐに誰かが慰めや助言を返してくれるのに、ここ数日は反応が弱かった。
今日も、食事を終えても既読にすらならない。
風呂から上がった頃、ようやくチャットアプリがピロリンと鳴ったので、バスタオルを巻きつけたままの姿で確認する。
だがチャットアプリに流れてきたのは、思っていたものとはほど遠い返事であった。
『ちひろは最年少で甘やかされていたからね。やっと社会の厳しさを知ることになってよかったんじゃない?』