極上イケオジCEOのいちゃあま溺愛教育 ~クールで一途な彼の甘い独占欲~【完結】
第四章 イケオジの溺愛教育は甘くて苦い
64.興奮して早起きしてしまいました
一ヶ月後――
本生産されたサニタリーショーツが倉庫に納品された。
ちひろは悠木に指導され、モデルオーディションからカメラマンとの打ち合わせ、撮影スタジオの手配まで、すべてひとりで行った。
目が回るほど忙しく、アパートに戻ってもクタクタで、シャワーも浴びずに寝ることもしばしば
朝も疲労が抜けきれず、目が覚めてもなかなか起きられない。
何度、休むと連絡しようと思ったか。
それでも最後までやり遂げたいという一心で、疲れた身体にムチ打ってアパートを出る。
昔のちひろなら、絶対に無理はしなかった。
血なまこで仕事をするなんて、自分だけ頭ひとつ出ようとする行為みたいで格好悪い。そんな風潮もあった。
女性社員の仕事は、みんな平等に。
残業するときも一緒。帰るときも一緒。
給与だって全員一律、プラス年齢給。
褒められることもなければ、卑下されることもない。
そんな会社だから、誰も努力をしなかったのだろう。
しかし――
逢坂がCEOを勤める会社は、誰もが切磋琢磨している。
そして、みな正しく評価されていた。
ちひろも自分を試してみたいと、この会社にきて初めて願ったのだ。
「あー朝日眩しい……」
ちひろは定時より一時間早く会社に到着したが、すでに逢坂がデスクについていた。
いつも思うことだが、逢坂の出勤はとても早い。
社長というものは、遅刻早退欠勤、なんでも許される存在だと思っていたちひろは、遅刻も早退もなく、それどころかときおり終電近くまで働く逢坂に尊敬の念を抱いてしまう。
「おはようございます。逢坂社長。今日もお早いですね」
「おはよう。……君も早いな」
「今日は私にとって大事な日なので、いてもたってもいられす、早めに出勤してしまいました」
そう。今日は、ちひろが企画開発した商品の発売日である。
3色のカラバリ合わせて7,000枚を生産した。
正直、自分の作り出した商品がそんなに売れるとは想像できない。
売れ残って倉庫の隅に山と積み立てられたらどうしよう……と、何度も不安になった。
未熟ながらも精一杯に考えた商品だ。
疲労が激しくても、ここは踏ん張りどころだと思っている。
「そうだな。おれも緊張と興奮で寝られなかった」
「え? 逢坂社長が?」
新商品の発売開始など、これまで何度も経験してきただろうに。
ちひろが不思議そうな顔をしたからか、逢坂が新聞をデスクの上に置くと、すっと立ち上がって目の前まできた。
本生産されたサニタリーショーツが倉庫に納品された。
ちひろは悠木に指導され、モデルオーディションからカメラマンとの打ち合わせ、撮影スタジオの手配まで、すべてひとりで行った。
目が回るほど忙しく、アパートに戻ってもクタクタで、シャワーも浴びずに寝ることもしばしば
朝も疲労が抜けきれず、目が覚めてもなかなか起きられない。
何度、休むと連絡しようと思ったか。
それでも最後までやり遂げたいという一心で、疲れた身体にムチ打ってアパートを出る。
昔のちひろなら、絶対に無理はしなかった。
血なまこで仕事をするなんて、自分だけ頭ひとつ出ようとする行為みたいで格好悪い。そんな風潮もあった。
女性社員の仕事は、みんな平等に。
残業するときも一緒。帰るときも一緒。
給与だって全員一律、プラス年齢給。
褒められることもなければ、卑下されることもない。
そんな会社だから、誰も努力をしなかったのだろう。
しかし――
逢坂がCEOを勤める会社は、誰もが切磋琢磨している。
そして、みな正しく評価されていた。
ちひろも自分を試してみたいと、この会社にきて初めて願ったのだ。
「あー朝日眩しい……」
ちひろは定時より一時間早く会社に到着したが、すでに逢坂がデスクについていた。
いつも思うことだが、逢坂の出勤はとても早い。
社長というものは、遅刻早退欠勤、なんでも許される存在だと思っていたちひろは、遅刻も早退もなく、それどころかときおり終電近くまで働く逢坂に尊敬の念を抱いてしまう。
「おはようございます。逢坂社長。今日もお早いですね」
「おはよう。……君も早いな」
「今日は私にとって大事な日なので、いてもたってもいられす、早めに出勤してしまいました」
そう。今日は、ちひろが企画開発した商品の発売日である。
3色のカラバリ合わせて7,000枚を生産した。
正直、自分の作り出した商品がそんなに売れるとは想像できない。
売れ残って倉庫の隅に山と積み立てられたらどうしよう……と、何度も不安になった。
未熟ながらも精一杯に考えた商品だ。
疲労が激しくても、ここは踏ん張りどころだと思っている。
「そうだな。おれも緊張と興奮で寝られなかった」
「え? 逢坂社長が?」
新商品の発売開始など、これまで何度も経験してきただろうに。
ちひろが不思議そうな顔をしたからか、逢坂が新聞をデスクの上に置くと、すっと立ち上がって目の前まできた。