ドS執事の甘いおしおき。
chapter♡1
お嬢様、お仕置きです
二歳年上の執事が入ってきたのは、五歳の時だった。
可愛らしい顔立ちだったため、メイドさんたちに好かれていたのを覚えている。
春の麗らかな風が吹く、四月のことだった。
「ねえ、柊斗」
「何ですか」
その小さな執事はまだ慣れていない片言の敬語で返答をする。
「これからもずっと一緒にいてくれる?」
こんな質問、普通の使用人だったら戸惑ったはずだ。
ずっといられる保証なんてないし、ましてや五歳児の言うことなのだから、曖昧にして誤魔化すだろう。
だけど彼は違った。
「もちろんです」
「約束よ?」
「はい、お嬢様」
そう言って笑いあった。
それももう遠い昔のこと。
今はその可愛らしいかった頃の面影はなく、イケメンで優しい完璧な執事になった。
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