ドS執事の甘いおしおき。
「ねえ、柊斗。二人きりの時は前みたいにお嬢様じゃなくて名前であとタメ口で話して?」
「お断りします」
「お願い!なんでもするから!」
「へぇ。なんでも、ですか…」
柊斗は面白いことを聞いた、とでも言いそうな顔をしてニヤニヤしていた。
「そうですね…それではお嬢様が何かやらかした時にお仕置きとして口づけを交わす、というのはどうでしょう」
「えっ、と、何を言っているの?」
「そのままの意味でございます。口づけを何度もすることによって男性への耐性も付くでしょう。またお嬢様は問題行動さえされなければお嬢様の目的は達成されるのですよ?とても魅力的な提案だと思いますが」
「……その提案を呑んだら二人のときはタメ口、名前呼びしてくれるのよね?」
「はい、もちろんです」
柊斗と口づけをするのは気恥ずかしい。
お父様に若干の罪悪感が生まれるけど、口づけを交わすようなことをしなければ済む話。
それにそれを守り続ければ昔みたいに柊斗と話せる。