ドS執事の甘いおしおき。
特に愛はございません
家に着くと、柊斗はなんでもないように仕事をこなし始めた。
さっきの柊斗が嘘みたい。
もう制服は着ていないし、ネックレスも、ラフなスニーカーも履いていない完全な執事だ。
「お嬢様、先程からチラチラとこちらを見るのはお止めください。気が散ります」
「ごめんなさい」
「お嬢様のことですので、さっきと全く違う!…とでも思われているんでしょう」
「………」
「図星、ですか」
なんでそんなに私の考えてること分かるの?
執事である前に幼なじみだから?
それともただ単にエスパーなの?
「お嬢様と何年一緒に過ごしたと思ってるのですか」
「うわっ…」
「うわっ、とは何ですか」
「や、だって私の気持ち分かり過ぎてるから、驚いちゃって…」
「大体、表情に現れすぎなんです。もう少しポーカーフェイスでもしたらどうです」
でた、辛辣柊斗!
前々からそう思っていたけど、今日は特にそうね。
何か食い止められてたのが取れたから、辛辣さに拍車がかかったのかしら。