ドS執事の甘いおしおき。
商店街の方を見ていると、視界に知らない男子たちが入ってきた。
「ねえ、君ってさ、あのお嬢様学校の生徒でしょ」
「本物じゃん、かわよ」
「俺らと遊ばね?」
こういうときは何も話すなって柊斗に言われたから、心は痛いけど無視しなくちゃ。
「ねー、何か反応しようぜ」
男子のひとりが私の二の腕を掴んできた。
「やっ…!?」
「おー、かわいーじゃん」
「見た目がこんな可愛いんだ、そりゃ声も可愛いだろ」
「は、離してください…!」
「嫌がる女ってそそるよな」
「それな」
ダメだ。この人たち何言っても通じない…!
助けて、柊斗!!
「俺の彼女に何か用?」
執事でない方の柊斗が来て、私を自分の方に引き寄せながら、男子たちにそう言い放った。
なんだか本当に私の彼氏みたい…ってそうじゃないでしょ!!
「うわ、彼氏きた」
「男いたのかよ」
その男子たちは柊斗を見るなり、そそくさとゲーセンの中に逃げていった。
「柊斗……」
「申し訳ありません。私が早く戻らなかったばかりに…」
「柊斗が助けてくれたからいいのよ」
「ですが…」
「さあ、帰りましょう」
「はい…」
柊斗は悔しそうな、やるせないような顔をしていた。