ドS執事の甘いおしおき。

パタンと扉が閉まってから、柊斗は天井を見上げて呟いた。


「…こういうことすんなよ」


美桜が淹れたコーヒーをぐいっと飲むと、また仕事を再開した。

まるで雑念を払うかのように。


***


朝早く柊斗の部屋に行くと、柊斗は昨日の服のままソファーでぐったりとしていた。

きっと柊斗のことだから、あの後もやり続けて途中で力尽きたのね。

書類はたくさん積み重なっているが、全て終わっているようだった。

仕事は早いけど、悩んだときに一度にやるからね。

途中でスタミナを失うのよね。


「柊斗、起きなさい」


って、これじゃいつもの逆ね。


「朝よ。あなたの好きな朝よ」

「…はい。ただいま…」


やっぱり眠そうね。

そのままにしましょうかしら。

そう思って部屋を出ていこうとしたが、よくよく考えたら柊斗も学校がある。

やっぱり寝かせてる場合じゃないのかも。

でも、いつも柊斗の用意が遅くなるのは私のせいでもあるのよね。
< 41 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop