ドS執事の甘いおしおき。
パタンと扉が閉まってから、柊斗は天井を見上げて呟いた。
「…こういうことすんなよ」
美桜が淹れたコーヒーをぐいっと飲むと、また仕事を再開した。
まるで雑念を払うかのように。
***
朝早く柊斗の部屋に行くと、柊斗は昨日の服のままソファーでぐったりとしていた。
きっと柊斗のことだから、あの後もやり続けて途中で力尽きたのね。
書類はたくさん積み重なっているが、全て終わっているようだった。
仕事は早いけど、悩んだときに一度にやるからね。
途中でスタミナを失うのよね。
「柊斗、起きなさい」
って、これじゃいつもの逆ね。
「朝よ。あなたの好きな朝よ」
「…はい。ただいま…」
やっぱり眠そうね。
そのままにしましょうかしら。
そう思って部屋を出ていこうとしたが、よくよく考えたら柊斗も学校がある。
やっぱり寝かせてる場合じゃないのかも。
でも、いつも柊斗の用意が遅くなるのは私のせいでもあるのよね。