ドS執事の甘いおしおき。
柊斗は口を押さえ、声を必死に堪えながら笑った。
「つまりお嬢様は私でよからぬ妄想をしたんですね」
「そうじゃないわよ!勘違いしないで」
「ですが、先程の発言はそう捉えられます」
「うぅ~。日本語って難しい…」
「そうですね。ですから学校へ行きましょう」
「はい、すいません」
柊斗と共に車まで行った。
乗り込んであと出発するだけの時、柊斗は言った。
「お嬢様のお陰で楽な朝でした。本当にありがとうございました」
「いいのよ」
「毎日こうだと助かるのですが」
「職務放棄でもするの?」
「冗談ですよ」
クスッと笑ってから私の頭を撫でてきた。
「なに?」
「いえ。なんでもありません」
窓が閉じると車は出発した。
私は不意に頭を撫でられたことを思い出して赤くなるしかなかった。