ドS執事の甘いおしおき。

午後になり、どのご令嬢も雑談をしながらドレスに着替えていた。


「有栖川様、聞いてください。私の執事の話なのですが…」

「私の話もどうかお聞きください!」

「それでしたら私も!」


「皆さん、順番にお願いしますね」


私をお慕いしてくれるのはとても嬉しいことだった。

でも、それは私が“有栖川”のお嬢様だからで。

他の家の人だったらこんなことはないだろうと思ってしまう。


「有栖川様はどう思いますか?橘家のご令嬢のこと」

「優花さんのことですか?」

「はい。執事と恋愛をしているというあのご令嬢ですよ」

「失礼ながらあの方の軽率な行動で私たち他の令嬢の品格が疑われると思いますの」

「それにどこの血筋かも分からない執事なんていかがわしいにも程があります」


私はそれを黙って聞いていた。

私の友達のことをこんな風に思っていたなんて。

しかも合川さんを血筋で見て軽蔑している。
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