ドS執事の甘いおしおき。
「何も分かっていないようですね」
「だって柊斗が言っていることが難しいもの。分かりやすく教えて」
答える代わりに柊斗は私の目の前まで来て、頬にそっと触れた。
伸ばされた手はひんやりとしていたので、ビクッと肩が震えた。
そんな私を見て、優しい微笑みを浮かべながら頬を撫でた。
艶っぽい柊斗の表情にドキッとした。
「おや、抵抗しないんですね」
「抵抗もなにも変なことしてないじゃない」
「では、今から貴女にキスします。三つ数えたらするので、抵抗してください」
「へっ?」
「三、」
柊斗は訳の分からないことを言って、カウントダウンを始めた。
「ニ、」
本当は抵抗するべきなんでしょうけど、体が動かない。
心のどこかでは柊斗にまた触れて欲しいんですね。
私は瞼を閉じた。
「いち………っ」
ペチン。飛んできたのはデコピンだった。